社長のひとりごと

ひとりごとの前に…

こちらでは、株式会社アイズ・レザー社長、わたくし「伊澤」が日ごろ感じていること、思っていること、伝えたいことなどを不定期に”ブツブツ”と「ひとりごと」する場所です。
たまには皆様のお役に立てるかも知れませんし、そうでないかも。。。
ご興味ある方は是非、斜め読みから始めてみては如何でしょうか?

最近の成牛原料皮事情について

はじめに…

今回は、ひとりごと・・・というか「おねがいごと」と言った内容になるかと思いますが、
お付き合いいただければ幸いです。

ご存知の方も多く、むしろ私よりも詳しい方もいらっしゃると思いますが、日本のタンナーさんが鞣している「成牛」の原料皮(以降、原皮)は以前から「北米原皮」と「国内原皮」が主になっています。
その他にもヨーロッパや南米、オーストラリア等々から輸入しているタンナーさんや前鞣しをクロムで行ったウェットブルーを輸入しているタンナー?さん達もいらっしゃいますが、弊社とお付き合いのある「原皮から鞣している日本のタンナー」さん達から聞いた最近の主な「北米原皮」と「国内原皮」の状況について少しだけお話をさせて頂きます。

北米原皮と国内原皮の実情
一般的に成牛革で流通している状態は「半裁」といわれる牛の半頭分にあたり、
原皮の状態では1頭分の「丸皮」を数百枚ロットで1枚単価での取引となっています。
重量/枚や性別などにより様々な値段で取引されており、ステア(去勢雄牛)などで重くて厚く良質な原皮が高値と言われています。
例えば「北米原皮」を輸入する場合には、コンテナ単位で船便で輸送する事が多く、1コンテナには原皮の種類により変化しますが600~800枚での輸入となるそうです。
丸皮の1枚単価は原皮の種類により幅がありますが20,000~10,000円と仮定してみますとかなりの金額になるかと思います。
当然のことながら、まだ毛が付いている状態ですから虫や生態時の表皮への損傷などを確認する事は出来ません。
表皮の状態はA・B・C(品質)がどんなバランスなのか?もしかしたら、B・Cだけ・・・とか、かなりギャンブル要素の高い取引になると思います。
もちろんこれはまだ原皮の状態であって、これから国内輸送や冷蔵保管などから様々な工程を経て鞣しに入っていく訳です。
どんなバランスなのか?
考えるだけでも大変な仕事をして頂いているな~と色々な方々には頭が下がる思いです。

その「北米原皮」にはタンナーさん達も悩まされているようでして、数年前に小耳にした方もいらっしゃるかと思いますが「北米原皮」の値段が1枚25,000円を超えた!との事で1年の内に2~3回の値上げがあった事もあり、「国内原皮」に需要が流れて「国内原皮」も含めて全体的に値段が上がってしまった事がありました。

その要因は単純に需要が高まった事なのですが、それは日本ではなく近隣諸国で急速に需要が高まった話で、相場ですから致し方無いのですが、相場色が強くなってしまい、値段と品質のバランスが崩れてしまったままで、品質の落差が大きくなってしまったそうです。
品質バランス
では、その品質のバランスは現在どのようになっているのか、季節等々での少々の変動はありますが、
以下は「原皮」の品質を選別しているタンナーさんによる見解として、全てでは無いですが、
主要となる原皮の品質バランスについて紹介致します。

まずは、「北米原皮」について、ここ数年でAの割合が20~30%ほど、減少しているそうです。
北米原皮  ※厚みが3.0ミリ以上取れる
  主に一枚ベルトなど、
  厚物商品に使用される
北米原皮  ※厚みが2.0ミリ前後取れる
  主に小物、バッグ、靴に使用される
そして「国内原皮」もAの割合が10~20%ほど、減少しているそうです。
国内原皮  ※厚みが2.0ミリ以下となる
  主に小物、バッグ、靴に使用される
  ホルスタインの数が少ない為、
  一毛の仕入れが必至
国内原皮  ※厚みが2.0ミリ以下となる
  主に小物、バッグ、靴に使用される
  一毛より圧倒的に皮の数が少ない
品質が厳しくなっている事は少なからず感じていた事ですが、原皮相場が一時期よりも落ち着いたのに
値段が比例していない要因が、こう言った事なんだなと感じています。

これらはタンナーさん達を擁護している訳ではなく現状です。
タンナーさんによっては、選別したB・Cの流通が悪く、溜まっていく一方なので原皮の入荷数を減らしたり、ストップしているところもあるそうで、今後の事業継続の有無を検討している・・・と言ったタンナーさんの話も出ていました。もちろん、その他にも要因があって企業努力が足りないのでは?・・・と言った意見もあるとは思います。
しかし、どのタンナーさんも原皮の品質に関しては、常に頭を悩ませているテーマでもあります。
フロー
それらのB・Cはタンナーさんではエナメル革等にする事が多いらしいのですが、
B・Cなんだから低コストで・・・と要求されるので、手間もかかる上、良い仕事とは言えないと言っていた
タンナーさんもいました。
打開策として
そこで、皮、革を取り扱う立場の弊社が微力ながら出来る事として、
食材などでも加工食品といった工夫した商品が当たり前に存在するように、
B・Cの皮、革を工夫して活用するために、例えば型押し加工。。。

型押しをするとB・Cの革でも十分に利用可能です。
デザインなども多数あり、商品、作品ラインナップに膨らみを持たせることが出来ます。
また、革によっては、型押しをする事によって違った魅力が出る事もありますし、
裁断ロスも少なくなるメリットがある事も皆様に知っていただきたいと思っています。
弊社では多数あるデザインを紹介しきれておりませんが、今回は型押業者様より、貴重なデザインファイルを提供して下さったので、是非皆様にご活用頂ければと思います。膨大過ぎて迷うくらいですよ。
文末にご用意しております。

まずは前記の実情の打開に向けて、弊社としては型押しやその他の加工という工夫によって、新たな創作・購買意欲に変えていけるような革を作って行けたら・・・と思っています。
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最後まで社長のひとりごとにお付き合いいただき、有難うございました。
株式会社アイズ・レザー 伊澤 繁之
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 >>型押カタログ ダウンロード ※他社サイト(firestorage社)へジャンプ致します
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 ・1ファイルずつのダウンロードとなりますが、ご活用頂ければ幸いでございます
 型押デザインカタログは以下よりダウンロードをお願い致します。
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